女をあきらめられない理由

夫と結婚して11年が過ぎた

 

夫は同級生

真面目で優しく、面白みには欠けるが安心できる人

 

もともと淡白で女性経験もほとんどなかった

セックスも不慣れで

私が全てにおいてリードしなければならないような人だった

 

それでもよかった

 

当時は私も精神的に安定していなくて

不器用な夫だが隣にいてくれるだけで心地よかったのだ

例え性の相性が全く合わずとも

さりげなく伝えていけばそのうち慣れるだろう

結婚すればそのうち変わるかもしれない

 

そう安易に考えていた

 

 

 

しかし

 

とうとうそのうちは来なかった

結婚してもなにも変わらなかった

変わる努力すらなかった

 

娘を授かったのは、奇跡のように思っている

 

 

 

娘を妊娠してから現在に至るまで

私たちの間に一度も性行為は行われていない

まさしく、これがセックスレス

 

 

 

 

私が洋服を沢山買うのも

きれいでいたい

太りたくないと

多分人より過剰に感じてしまっている背景には

きっと夫とのセックスレスが原因

 

だって

もしも私が何にも気にしなくなってしまえば私は…

本当に私は

もう女としての価値がないのだと思い知らされそうだからだ

 

 

 

私は見栄っ張りだ

承認欲求もきっと強い

 

傍から見れば仲の良い夫婦に見えるだろう

私はきっと、長いこと偽りの夫婦を演じ続けている

夫の文句で盛り上がる主婦同士の会話はきらいだし

誰かにレスの事を話す方が惨めになる

 

私たち夫婦の間の男と女はとっくに破綻している

夫はそれでもいいと思っているのだろう

 

いや違う

 

いざこざが嫌いな夫は

ただ現実から目を背けているだけなのだろう

 

 

だから私は

意地でも女であり続けたい

私の中の女のプライドというやつなのかもしれない

 

夫には分かるはずはない